ギャンブルで稼ぐことはできる?パチンコの確率を徹底検証 2016.08.09
そこで今回は改めて事実上換金ができるパチンコというメジャーな”遊び”を参考にしてギャンブル(賭博)で稼ぐことが出来るのかを検証してみたいと思います。
公営ギャンブル(賭博)として認められているもの
日本において公営ギャンブル(賭博)として認められているのは次の3種類です。
- ・宝くじ(ジャンボ、スクラッチ、ロト)
- ・スポーツ振興くじ(toto)
- ・公営競技(競馬、競艇、オートレース、競輪)
これらの公営賭博は、テレビCMや街中の広告など、あちこちで宣伝が行われていますよね。日本の文化にも溶け込んでいる側面もあり、宝くじが販売された時はニュースとして大々的に報じられることも多いです。
グレーゾーンだがギャンブル(賭博)として稼げるもの
合法とは言い切れないが、違法とも言い切れない、そんなグレーゾーンのギャンブル(賭博)は次の通り。
- ・パチンコ、パチスロ
- ・オンライン上のギャンブル
これらは、法律上明確に認められているわけではありませんが、娯楽の一種という範囲に限りセーフという見解があるため条件を満たしている人は利用できます。
グレーゾーンのギャンブルで遊べる理由
通常、公営以外の賭博を行った場合、刑法の第185条、186条において示されている通り刑罰の対象となり、
「50万円以下の罰金又は科料に処する。」(刑法第185条)
「常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。」(刑法第186条)
というやや重めの罪に問われます。
しかし、それでも駅前に堂々とパチンコ店があるのは何故でしょうか?
じつは、この刑法の第185条にはとある一文があります。
それがこちら。
「ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」
つまり、お金では無く、その他の何かの景品(例えばボールペンとかメダルなど)をやり取りした場合はセーフだよ、ということが書いてあります。法律家によって、ここの見解は結構左右されるのですが、現状の社会を見る限りは許されているのでしょう。
ですが、その前に、「そもそもパチンコってどういうものなの?」という人のために簡単にパチンコの遊び方について説明しましょう。
パチンコの遊び方
- 1.サンドと呼ばれる機械にお金を入れてたまを借ります。(1玉=4円、250玉=1,000円)
- 2.ハンドルを回して玉を射出
- 3.チャッカーと呼ばれる入り口に玉が入る(この時点で当落が決まる事が多い)
- 4.演出が発生し、一定確率で“大当たり”の状態になる
- 5.大当たりチャッカーが開放し、そこに玉を入れることで持ち玉が増える
- 6.確変状態(大当たり確率が小さくなった状態)になったら短いスパンで再び大当たりへ
- 7.外れたらまた通常状態に戻り、一定確率を引く <以下、ループ>
おおよそこうした流れで遊戯は進み、どれだけ持ち玉を増やせるのかでパチンコでの勝敗が決まります。
1回の大当たりで稼げる金額は?
では、実際にどれくらいの金額が稼げるのでしょうか?
だいたい、MAXタイプと呼ばれている、約1/400の確率で大当たりが設定されている台の場合、1回の大当たりで2,000発の玉が得られます。1玉=4円なら約8,000円分の価値がありますね。
確変状態の継続率が80%だとしたら、平均して4~5回の連チャン(連続大当たり)が期待出来ますので、1万発(4万円相当)くらいは玉を増やせます。
つまり、4万円以内に1回でも大当たりを引ければ最低限の投資金額が回収できる可能性が高いと言えます。
1,000円が20万円に増えることも?
運の良い時は1回の大当たりで連チャンを重ね、3万発、4万発、5万発と持ち玉を増やすことが出来ます。
5万発というと、等価交換のお店の場合20万円の価値がありますので、仮に1,000円で5万発を出した場合は、投資金額に対して200倍の回収が出来たことになります。
しかし、確変継続率が80%で、1回あたりの大当たりで2,000発の放出なら25回連続で大当たりをしなければならず、その確率は0.3%程度しかありませんので、なかなか達成は難しいでしょう。
とは言え、パチンコにも色々と種類があって、機種によってちょっとルールが変わりますので、今回は一般的な1/300の確率で確変継続率が60%、時短回数100回のミドルスペックと呼ばれる機種で稼ぐための条件を検証していきましょう。
ちなみに時短とは、大当たり後確変に入らなかった場合、保証される玉を減らさず回せる回数のことです。
ミドルスペックのパチンコでの期待値は?
計算を簡単にするために、今回の大当たりによって増える玉は1回あたり2,000発とします。
そうすると、時短での引き戻し確率も含めて、連チャン確率は約70%になります。この確率の場合、平均連チャン数は約3.7回となりますので、1回の大当たりによる平均出玉は7,400発となります。
等価交換のお店の場合は29,600円、約3万円稼げる計算です。
ボーダー数を回せれば必ず勝てる?
この、3万円で300回チャッカーをスタートさせることを、業界ではボーダーと読んでいます。さらに割っていくと、1,000円で10回転させれれば期待値は超えられるとも言えます。
ではこの期待値を超える台に座ることができればパチンコは勝てるかというと、実はそういうふうにもいかないのです。
そこには確率のマジックがあります。
実際に300回以内に当たる確率は約63.3%となります。確かに1回1回の確率は1/300なのですが、その分母は減っていかないので注意が必要です。
例えば、中にくじが300枚ある箱を考えてみましょう。この内1枚だけ「当たり」と書いてあるとします。
この時、外れくじを毎回捨てるのであれば、引き続けることで確率は上がっていきます。しかし、パチンコの場合一回目引いたくじは捨てずに元に戻すことと同じことになるのです。
規定値回しても3回に1回ははずれる
その一回一回のハズレの確率を300回計算すると、300回以内に1度でも当たりを引く確率は約63.3%になります。
つまり、約36%、3回に1回は1回も当たりを引けないまま終わってしまうことになります。
ちなみに、大当たりを引く確率ですが、確率の倍以上、600回以内でも85.3%にとどまります。
ただ、1500回もすれば99%以上となるので、神に見放されていないかぎりは、ほぼ当たりが引けるということですが約束は絶対にされません。
コインで出来る簡単な確率の実験
本当に規定回数回しても当たらないの?そんなことがあるのか?と思った方は実際に簡単な実験をしてみましょう。
ポケットや財布にコインがあれば、それを投げて裏表の出方を確認してみてください。
2回投げて一度も表が出ない確率は4回に1回、つまり25%もあります。1回1回は1/2ですが、裏が出たあとに必ず表が出るとは限らないのです。
確率の収束までに必要な試行回数
実際にパチンコ店に行くと、比較的短いスパンでどんどん当たりを引くものもあれば、1,000回以上当たりを引いていない台がちらほらあります。中には2,000回とか当っていないものも見かけます。
パチンコでは1回目に引いたものであろうが、1,000回目に引いたものであろうが当たる確率が一緒だからです。
そのため、台によっては、実際に出た当たりの頻度が1/100だったり1/1000だったりすることがあります。
確率が実際の試行でその通りになるためには、大当たり確率1/400のMAXタイプの場合、約1500万回試行が必要です。
これを「確率の収束」と呼び、実際に行うには膨大な時間が必要となるためパチンコでは実現不可能です。
つまり、パチンコにおいては、限られた時間の中で低確率の大当たりを何度引けるのかということが、勝敗を分ける全ての要因となっています。
まずパチンコは必ず確率通りに当たるものではないという認識をしてください。
また、先ほど説明したとおり、パチンコには期待値があるということを思い出して下さい。
そして、確率は少ない試行回数では偏りが生じ、必ずしも確率通りにならないということを思い出して下さい。
これらの要素を考えた時、パチンコで“理論上”勝つことが出来る条件が見えてきます。
それは、「期待値以内の金額」で「期待値以上の回転」を「確率が収束する回数試行する」ことです。
これができれば理論上はパチンコで勝つことが出来ます。
しかし、そんなことは不可能ですね。
パチンコで勝つには結局運次第
よって、パチンコで勝つということを実現するためには、コツコツとボーダーを超えた期待値の高い台を見つけて打ち続けることが必要です。
それでも勝率はボーダーよりちょっと回る台でも期待値は数千円~5万円程度にしかなりません。それも高くて70%くらいの確率の勝率です。
しかもそんな台がそもそもめったに存在しないということから、パチンコで稼いでいる人はほんの一握りということが分かります。
結局は一時的に運がいい人しか勝ち続けることは出来ません。
でも、そもそもパチンコってなんでお金が増やせるのでしょうか?その流れを説明します。
パチンコ店ではお金に替えてくれない?
まず、パチンコの遊び方自体はここまで読んでくれた人には理解ができているでしょう。
ではパチンコで増やした玉をどうするのかというと、まずは専用の機械で玉数が計測され、レシートを発行してもらいます。そのレシートを店内にある“景品交換所”に持って行くと、特殊景品と呼ばれるアイテムに変わります。
この特殊景品は地方によってまちまちですが、東京ならほぼ間違いなくプラスチックに入った金と交換してくれます。余った玉はお菓子とかタバコとかに変わります。
しかし、ここでお金と交換してくれることは絶対にありません。それが出来るのは、所謂裏スロとか裏カジノとか呼ばれている非合法なお店です。
三店方式という換金システム
ここで「それならなぜパチンコでお金が稼げるのか?」というという疑問が出てくることと思いますが、その答えは三店方式という業界特有の特殊な仕組みにあります。
交換した特殊景品は、なぜか専門的に買い取ってくれる質屋がお店の近くにあります。
しかもこの特殊景品、なぜか同じような特殊景品が近隣で多く出回っているため、価値もわかりやすく一律で統一して取引しています。
こんな、なんとも都合のよい展開が日本中のそこここで行われており、その結果、いつの間にかお金が増えてるなんてことがありえるのです。
これを所謂、三店方式といって、パチンコが上手く法に抵触しない範囲でギャンブルとして成り立っている理由でもあります。
警察はパチンコがギャンブルだと知らない?
ちなみに警察はこのシステム自体については特に言及していませんが、パチンコ屋が換金をしているということに対しては、はっきりと「知らない」と言っています。
また、同じような仕組みを別の業界が利用しようとしても処罰の対象となります。
これはなんと言って良いのやらですが、現実はそういうものなのでしょう。問題として取り上げられることが時折政府内でもありますが、殆ど解決はしていません。
はっきりと申し上げます、出来ません。
まれに「パチンコで勝ったからおごってやるよ」なんて事を言って羽振りのよさそうな人がいるかもしれませんが、その人も一時的なコガネモチになったに過ぎません。
ギャンブルで借金を返済しようとしてはダメ
仮にお金が必要になったとしても、ギャンブルでお金を増やそうというのは誤った考え方です。
借金の返済に行き詰まったのなら、債務をおまとめローンで一本化するとか弁護士に相談するようにしましょう。ギャンブルで更に借金を増やしてしまっては、ただ苦しみが増えるだけです。
ギャンブルをすること自体は否定しませんが、金銭問題が起きない範囲で遊ぶようにしましょう。